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加山又造展

横浜高島屋で開催中の「加山又造展~命の煌き~」(9/10まで)へ行って来ました。
今年は加山又造生誕90周年だそうで、それを記念して久しぶりの大回顧展です。
デパートでの展示なのでそれ程作品数は多くないですが、初期の頃の作品から晩年の名作まで、幅広い年代の作品が展示されていました。

晩年の名作が素晴らしいのは勿論ですが、私はどちらかというと若い頃(1950年代)の作品がすごく好きです。

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「月と縞馬」
1954年 個人象

東京美術学校で学んでいた頃、上野動物園で写生をされていたそうで初期の作品には良く動物が登場します。
この頃はキュビズムやシュルレアリスムに影響を受けており、動物たちはどれもデザイン的。
この縞馬もかなりデフォルメ化されていますが、それが写実の作品にはない気迫や魅力になっていて良いなと。
ぱっと見た時に見える顔は2つですが良く見ると胴体にもう1つといったように、騙し絵的な要素が入っているのも面白いと思う作品です。
あと、この時代の絵は青色がとっても綺麗なのも好きなポイント。

こちらは飼い猫を描いたシリーズの1枚。

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「猫」
1960年頃 個人蔵

毛を一本一本丁寧に描いていて猫の毛並みの良さが感じられます。
しっかりこちらを見据えており、可愛さの中にも凄みがあるところもいいなと思いました。
猫好きで自宅には沢山の猫を飼われていたそうですが、モデルに起用していたのはこのシャム猫とヒマラヤンの2種類だそう。

名作揃いで、写真や映像など何かと目にすることが多いのは晩年の作品でしょうか。
1970年代後半からは水墨画や日本画の伝統への志向が強まり、大作も連作しています。
今回出展されていた作品の中では、「淡月」1996年 郷さくら美術館蔵が幻想的で好き。
満開の枝垂れ桜と月を描いているですが、ちょっと言葉には表わせない美しさと妖しい魅力を感じる作品です。

私が通っている絵の教室の先生が大学で加山先生に師事していたこともあって、今までも作品を見る機会はそこそこありましたが、多くの年代の作品を一度に見たのは今回が初めて。
年代を追って観たことで改めて発見もあり良い勉強になった展覧会でした。
因みにこの展覧会は全国巡回展で横浜の後は、9/13~9/25が高島屋大阪、10/4~10/16が高島屋京都とのこと。
美術館ではないので入場料もそれほど高くないですし、素敵な作品が沢山出展されているので、お近くの方はぜひ♪

by Sissy50 | 2017-09-06 17:54 | 美術展

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