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ソール・ライター展

先日、知人の個展に行くために渋谷まで出掛けたついでにBunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「ソール・ライター展」を観てきました。

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ソール・ライターはもともと画家を志してニューヨークに出て来たそう。
しかし、個展を開いても絵がちっとも売れないので、ニューヨークについて間もなく出会った抽象主義の画家リチャード・プセット=ダートから学んだ写真を生活の糧とすることを思いつき、その写真が次第にファッション誌の誌面を飾るようになっていったということでした。

ファッション誌以外の写真では街の何気ない見逃してしまいがちな日常を切り取った写真が多いと感じました。
中でも「靴磨きの靴」という作品は強烈に印象に残っています。
街行く人々の靴を磨いている少年たちの靴は、どれもボロボロで穴も空いていたり…
タイトル通り靴しか映っていなくて彼らの表情は伺えないのですが、靴が全てを物語っているというか…彼らの1日1日を必死で生き抜いているんだぞという気迫みたいなものが伝わってくる写真でした。

カラー写真では、雪景色で基本的に白黒の色彩の中真っ赤な傘がぽつんとある「足跡」という作品が素敵でした。
個人的にはカラー写真の方が好み♪
何色もの色が映りこんでいる作品も多かったのですが、色彩豊かでもゴチャゴチャした感じがないというのはソール・ライターが画家志望で「色」というものを扱い馴れていたというのが大きく影響しているのかなと。

また、このポスターのように画面の大半を平面で埋めてしまい残りの部分に被写体を入れるという構図も個性的で面白いと感じました。

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彼は写真と共に数々のことばも残しており、それらも一緒に展示されていました。
中でも、記憶に残ったのがこの2つ。
「―肝心なのは何を手に入れるかじゃなくて、何を捨てるかなんだ。」
「―重要なのは、どこである、何である、ではなく、どのようにそれを見るかということだ。」


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by Sissy50 | 2017-06-23 10:16 | 美術展

日常を思いつくままに切り取って…


by Sissy50